にきびセンター

疲れたり病気になったりしたときに、目のまわりや頬が黒くなるのは、このメラニンの働きにほかなりません。
第二の働きは、限度以上に紫外線を吸収させなくするというものです。紫外線のなかには、外紫外線・内紫外線・ドルノ線の三つが含まれており、このうちの内紫外線には、血液を酸性にして私たちの身体を疲労させる要素があります。

ということは、私たちは、何もしないでいても、紫外線を長時間浴びつづけることによって、自然と肉体を疲労させていることになるわけです。しかし、それではクタクタになってしまい、身体が保ちませんから、何らかの防衛策を講じる必要が生じてきます。
そこで活躍するのが、メラニンなのです。メラニンは、先にもふれたように、血液が酸性に傾いたときにも着色する性質をもっています。
そして、メラニンが着色することによって、それ以上は紫外線を吸収しない働きをもっているのです。ために、内紫外線もまた、それ以上は吸収されなくなり、疲労もある程度以上は進行しなくなるというわけです。
この働きの典型が、肝臓や肺、心臓などが悪くなったときの肌の黒さ(肝臓の悪いときのシミ)です。メラニンが着色することによって紫外線(か発外擲)の襲撃をはね返し、病人を極度の疲労から遠ざけているわけです(同時に体温を一定に保つ働きもしてくれていることはいうまでもありません)。
これは、海水浴などによる日焼けの場合でも同様です。着色したメラニンは、限度以上の紫外線を吸収しないように働くことによって、疲労防止と体力保持・外熱遮断に大きな貢献をしてくれているのです。
ちなみにメラニンは、それが1〇〇あるとすれば1〇〇すべてが着色するわけではなく、身体を守るのに必要な数だけが着色するもので、その総数にも増減などの変動はありません。ただ着色するパーセンテージが変るだけです。
身体の健康と美を守るという働きをする点では、汗も重要な存在の一つです。汗は、いうまでもなく、汗腺から出てきます。
その汗腺は、全身の皮膚に分布する細い管状の腺で、表皮の下のところにある真皮や皮下組織のなかで、ちょうどトグロを巻いたような恰好をしています。それが、全身で、総計二四〇万個。
面白いもので、私たち日本人は、梅雨時のむし暑さに悩まされることのない欧米人よりも一四〇万個も多く所有しています。さしずめ、自然の摂理というところでしょうか。

要するに私たち日本人は、おしなべて″汗っかき″というわけです。この汗腺には、それぞれ、汗をつくるために原料を運んでくる毛細血管が巻きついています。
それらを、すべて合計して、一本に結びつけると、東京〜小田原(関西なら兵庫〜大津)間の距離に匹敵するほどの長いものです。第一の大きな役割は″体温調整″です。
私たちが夏に大量に汗をかくのは、外気温の高さによって体温が高くなるのを、汗を出すことによって低くし、正常の三十七度に保つためですし、同様、寒い冬には少量の汗しかかかないのは、正常以下に体温を下げないためです。その汗の平均量が、真冬で約06μ。
これで体温が正常に保たれるというわけです。これを″一過性の汗″といい、一度に多量の汗を出すと、その後しばらく発汗が少なくなります。
たとえば真夏に、激しい運動をして汗をいっぺんに出してしまうと、汗の分泌量がたちまち不足して、体内の熱がスムーズに放散されなくなり、体温が上昇して夏カゼにかかるというアクシデントに見舞われることになります。また、逆に、真冬に、汗の分泌量が少ないところに、急に寒さが襲ってくると、体内ではさかんにエネルギーを消費して身体を寒さから守ろうとするものの、エネルギーを燃やした際に出る熱を下げるには汗の分泌量が不足しすぎていて、その結果、体温を下げられずに、やはり風邪をひくことになるわけです。
なお、肌の美容とは直接の関係はありませんが、汗がスムーズに体温調整できない典型的な症状に「無汗症」があります。私たちが食事をとると、やがて体温が四十度に上がります。
体内の温度は三十六度八分が望ましいので、私たちの身体は発汗によって再び体温を下げています。ところが、無汗症になると、いったん上がった体温が下がらず、放っておくと脳症を起こして六日後には死んでしまうのです。
それを免れるためには一時間に一回、身体を水につけて人為的に体温を下げてやらなければなりません(ちなみに汗は、いっぺんに○○出すことによって、体温を十二度も下げることができるとされています)。 身体に害のある乳酸・尿酸のクリーナー役も汗の第二の大きな役割は″体内の不要物を出す″ことです。
汗は、水分(十塩分)だけで構成されているように思えますが、実際にはそのほかにも乳酸や尿酸などを含んでいます。まず乳酸についていえば、これが汗によってスムーズに体外に送り出されず、体内にとどまったままでいると、蛋白質と結びついて乳酸蛋白となり、筋肉を硬くするという悪戯をはじめます。

その結果起こるのが、肩こり、腰痛、心臓や血管・筋肉なども不調和に……。いずれの症状をとってみても、ありがたいものではありません。
一方、尿酸も、負けず劣らずの悪童です。尿酸は、読んで字のごとく、主に尿によって体外に出されるものですが、その一部は汗に含まれており、その汗が活発に出ないと、尿酸もまた体内に残って量をふやし、腎臓が疲れたり、関節が痛んだり、頭痛がしたりします。
これら、体内に多量に残存しているとトラブルの原因になる乳酸・尿酸などを、汗は水分・塩分と一緒に体外に出し、それによって身体の健康を守る働きをしているわけです。ですから、汗は、けっして忌み嫌うべき対象ではなく、むしろ、スムーズに出てくれることに対して素直に感謝すべきものであるといえます。
たとえば、よく、梅雨時には体調を崩すといいますが、これは、気温が高いにもかかわらず、湿気が多いので、汗がスムーズに出ないために起こる症状ですし、また真夏に冷房にあたっていることによって生じる身体の変調も、本来は一日に○○前後出さなければならない汗を、無理に止めているから起こるものなのです(こうした冷房病や風邪に対しては、温かいものを飲んで、温かくして寝る″発汗療法″が効果的です。汗がスムーズに出ないことによって起こった症状は、汗を積極的に出すことによって、かなりの程度治すことが可能だからです)。
この項で述べてきたことは、《汗と健康との関係》での″汗の役割″でしたが、同時に汗は、肌にとっても、角質層に水分を供給するという大きな役割を果しています。私たちの皮膚表面(つまり、肌)に潤いを与えてくれているのは、水分だけではありません。
「脂」もまた、大きな役割を果してくれているものの一つです。その脂は″皮脂腺″から分泌されます。
″皮脂腺″は皮膚表面の下りのところ「毛の生えている」の壁に壷のようなかたちをした横穴状についており、その数は、一つの毛穴につき最低一個、多い場合は二個から三個とまちまちで一定していません(毛の数は全身で約二〇万本)。さて、その働きです。
″皮脂腺″は特殊な細胞でつくられており、そこでは、毛細血管が運んできた脂肪やアミノ酸をとりこんで、まず脂細胞(アブラ細胞)がつくられます。

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